第六怪 奇怪なお肉

これはとある知人から聞いた奇怪な話。

吉岡トシロー(35)は実家の向かいにある、「焼き肉アカサタナ」という焼き肉屋を
なんとも奇怪に思っていた。

「焼き肉アカサタナ」はトシローが産まれる前からあったようだ。

何故「焼き肉アカサタナ」を奇怪に思っていたかというと、
実家の向かいにあるという事もあり、幼少の頃から毎日のように「焼き肉アカサタナ」の前を通るが、今まで一度も店が開いているのを見た事がない。
物心ついてから30年近くは店の前を通っている。

決して営業してないわけではない。
その証拠に店の主人と思われる人間が、ノレンをしまっている姿を何度か目撃した事がある。

それは午前7時だったり午後3時だったり、夜中の1時だったりとまちまちではあった。

主人の姿を見たといっても後ろ姿だけで正面からは見た事がない。

なんとも奇怪だ。
何故営業しているにも関わらず、一度も営業時間に前を通れないのか?
しかも主人を正面からも拝めない。

まるでこの焼き肉屋は自分を避けているようではないか!?
35歳になったばかりのトシローはこの奇怪な出来事に答えを出す決意をした。

平日だったが仕事をさぼり、いつも出勤して家をあけている時間に、
木陰から焼き肉屋をのぞいていた。

木陰に隠れ2、3時間が経過した頃だった。

店の主人がひょっこりあらわれた。ノレンをかけていた。

店の主人は背が150センチくらいの小柄な男で歳は70歳くらいの爺さんだった。

トシローの胸の鼓動が速くなった。

今だ!
開店と同時にトシローは店の中に入る事に成功した。

暗い店内で木のテーブル席は油っぽく清潔とは決して言えない。

「いらっしゃい」
主人が奇怪に笑いながら言った。

「メニューは?」とトシローは聞くと。
「メニューなどありませんよ。焼き肉やですから、お肉しかありませんよ。」と主人が答えた。

お肉って言っても、いろいろあるでしょ。
そう思ったが、トシローは「じゃあ、お肉で。」と注文した。

10秒もたたないうちに「お肉」がのった皿がでてきた。

それは、牛肉?豚肉?鶏肉でもない。
確かに何かのお肉であるような気もする。
どのお肉にも似ているがどれとも違う。
少し古いのか箸で突くと固くてあまり美味しそうではない。

主人に、「これはなんのお肉ですか?」とトシローは聞いた。
が案の定「お肉はお肉ですよ。」

と主人は奇怪に笑うだけだった。

気味が悪かったが、食べない訳にはいかないので、
取りあえずテーブルに置いてあった炭火で焼くことにした。

そのお肉は焼くなりウンコの用な臭いを放った。

「くせえ!!!」

トシローは思わず言葉に出してしまった。

主人は奇怪に笑っていた。

まちがいない!、、、、これはウンコだ!!

…終わり

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